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【身近な疑問】“サビ”の正体、知ってますか?

TGです。
身近な疑問シリーズ、今回は“サビ”についてです。
早速解説していきます。
“サビ”の正体
結論から言います。サビとは“金属の酸化物”です。
金属が空気中(あるいは水中)の酸素と反応して、別の物質ができてしまうのです。
鉄サビは鉄の酸化物ですし、緑青(ロクショウ)は銅が酸化したものです。
(自由の女神の緑色も緑青ですね。)

では、なぜ金属は錆びるのでしょうか?
それは、“元の自然な姿に戻ろうとしているから”です。
鉄は自然界に“鉄”そのものとして存在しているわけではありません。
鉄鉱石という、酸化物の状態で存在しているのです。
その鉄鉱石を還元(要するに酸素を除く)した状態の物質が鉄なのです。
鉄は鉄鉱石の状態が“元の姿”、つまり、一番安定した姿ということです。
この安定した姿に戻ろうとするため、鉄は錆びるのです。
同じように、銅は自然界では銅鉱石(酸化銅)という形で存在しますし、
アルミニウムはボーキサイト(酸化アルミニウム)という形で存在しています。

あれ、アルミニウムはサビなくない?という思った方、鋭いですね。
実は、アルミニウムも表面は錆びている(=酸化物に覆われている)のです。
その酸化物が“保護膜”として次の酸化を防ぐため、錆びないように見えるのです。
金属によって錆びやすさが違い、錆び方も様々だということです。
ちなみに、錆びることを“腐食”と言ったりもします。
サビを防ぐためには?
そのままでは必ず酸化してしまう金属ですが、当然サビを防ぐ工夫も行われています。
基本的には金属の表面を“保護膜”として覆うことですが、その膜にも種類があります。
酸化膜
金属めっき
塗装
それぞれ解説していきます。

<酸化膜>
これは金属の酸化膜がそれ以上の酸化を防いでくれるもので、
前章で説明したアルミニウムが有名です。
アルミニウムの酸化膜は1 nm(ナノメートル:1mmの1,000,000分の1)の厚さしかありませんが、
これによりアルミニウムと酸素が触れるのを防いでいます。
また、他に有名な金属としてはステンレスがあります。
ステンレスは鉄やクロムなど様々な金属を含む合金ですが、
アルミニウムのように表面に酸化膜を作り、錆びにくくなっています。
<金属めっき>
ある金属の上に、他の金属を膜として覆ってあげることです。
めっきの歴史は古く、一説では3500年前から行われていたとか。
原理は割愛しますが、有名なのは亜鉛やスズといった金属を使用するものです。
鉄に亜鉛をめっきしたものは“トタン”、スズをめっきしたものは“ブリキ”として知られています。
仮に表面が傷ついて下地の金属がむき出しになってもサビが進行しないようになっています。
亜鉛やスズ以外にも、ニッケルやクロム、金や銀なんかも使われます。
<塗装>
金属の上を金属以外の物質で覆うことです。
ペンキがよく使われます。
ちなみに、ペンキの主成分は樹脂(いわゆるプラスチック)です。
金属が酸素と触れないように、物理的に表面を保護してあげます。
その樹脂の種類によって性質や色が変わります。
塗装は外観をよくする役割もあるので、身近でも非常に多く使われています。
まとめ
今回は身近な“サビ”について解説しました。
余談ですが、人間の“老い”も細胞の酸化ですので、ある意味ではサビと同じようなものなんですよね。
だからこそ水素水なんかが流行ったりしましたが…。(多分効果はないです。)
いつも使っている金属製品を観察して、どのようにサビを防いでいるか見てみると面白いと思います。
ということで終わります。
また次回。