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【水の不思議②】水は”モノを溶かす”優等生だった。


TGです。


今回は前回に引き続き、水の不思議シリーズです。

早速本題へ入りましょう。


水は様々な物質をよく溶かす

水は様々な物質を溶かす性質を持っています。

例えば海水を見てみると、自然界に存在するすべての元素(92種類も!)が溶けています。


では、そもそも物質が水に溶けるとはどういうことでしょうか。

それは、水に溶ける物質(溶質)が、水分子のなかに均一に混じり合うことです。


例えば身近な食塩水は、塩(=塩化ナトリウム)が水に溶けたものですし、

砂糖水は砂糖(=スクロース)が水に溶け込んだものです。炭酸水は二酸化炭素が溶けた水ですね。

環境問題になる酸性雨は、雨に大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が溶け込んだものです。


そんな様々な物質を溶かす水ですが、どのように物質は水に溶け込むのでしょうか。

そして、なぜ物質は水に溶けると透明になってしまうのでしょうか。


次の章からより詳細に解説していきます。


物質の水への溶け方は“一つ”ではない

前回の記事で、水は“水分子”の集まりだということを紹介しました。

そんな水分子に物質が一つ一つ取り囲まれて引き離されることが“溶ける”ことの正体です。


そんな物質の水への溶け方ですが、大きく2種類に分けられます。

一つがイオンとしての溶解、もう一つが分子としての溶解です。

それぞれ順番に見ていきます。


<イオンとしての溶解>

イオンとしての溶解の代表的な例は、食塩です。

食塩は塩化ナトリウムという物質のことですが、これはプラスの電荷をもつナトリウムイオンと、

マイナスの電荷をもつ塩化物イオンが結びついてできた物質です。


この結びつきよりも水分子との結びつきの方が強いため、

水に塩化ナトリウムを入れると、プラスのイオンとマイナスのイオンに分かれ、水分子にそれぞれ囲われるのです。

イオンとしての水への溶解
イオンとしての溶解

この理由は、前回の記事で触れた“水素結合”によるものです。

前回は説明を省いてしまったので、今回は簡単に説明します。


水素結合とは、水分子を構成する水素原子と酸素原子が持つ電気的な力の大小(=極性)で生じます。

実際の水分子は、電気的に強いマイナスの力を持つ酸素原子に、

弱いプラスの力を持つ水素原子が引き寄せられて結びついた姿をしています。


そして、水分子になっても酸素原子の部分はプラスに帯電した物質を引き付ける性質を、

水素原子はマイナスに停電した物質に引き寄せられる性質を持ったままなのです。

結合を作るほど強くはないが、他の分子を引き付ける程度の力を持つということ!)


水素結合とは
水素結合とは

水分子が電気的にプラスやマイナスのものを引き付けるので、

食塩(=塩化ナトリウム)は水中ではイオンに分かれて結びついた方が安定になるわけです。

(2つ上の図で、プラスの電荷をもつナトリウムイオンには水分子の酸素が周りを覆い、

マイナスの電荷をもつ塩化物イオンは水分子の水素が周りを覆っているのが分かると思います)


したがって、プラスのイオンとマイナスのイオンでできた(=イオン結合した)物質は、

水に溶けやすいことが多いです。ほかに身近なものだと重曹(=炭酸水素ナトリウム)などがあります。


<分子としての溶解>

では、次に分子としての溶解を見てみます。代表例は砂糖(=スクロース)です。

砂糖はスクロースという分子が集まった“固体”ですが、これを水に入れると、

イオン化はせず、水がスクロース分子一つ一つを取り囲みます。


実はこれも水素結合が大きく関係しています。

スクロース分子は分子の中にヒドロキシ基(―OH)を多く持っており、

これが水分子と水素結合することで、水に溶けるのです。

分子として水に溶解
分子として溶解

そのため、このような物質は分子の中にヒドロキシ基をどれだけ持っているかによって、

水に溶けやすい、溶けにくいが決まります。

多く持っていれば当然溶けやすくなりますし、全く持っていない油は水に溶けませんよね。


身近なものだとお酒(=エタノール)なんかも分子として水に溶解します。


なぜ水に溶けると透明になるか

最後になぜ水に物質が溶けると透明になるか簡単に解説して終わります。

そのためにはまず、なぜ物質に色がついて見えるかを見ていきましょう。


例として、砂糖は白い結晶ですね。

砂糖がスクロース分子の集まりは初めに述べた通りですが、そもそも分子に色はありません

(正確にはないというより、光が当たっても小さすぎて何も起きない、というのが正確です)

分子が集まり一定の大きさを持つことで、光を反射するようになるのです。


よって、物質が水に溶解すると、分子として水中に分散していることになり、基本的には無色透明になるのです。

(基本的に、ということはまれに色を持つ水溶液もあります)


まとめ

今回は“水の特殊な性質”として、「水が物質をよく溶かす」理由を解説しました。まとめると、

・水は物質を溶かしやすい

・それは“水素結合”によって、他の分子を覆うことができるから

・水に溶けた物質は分子レベルで分散しているため、透明になる


でした。水の溶解性という点では“超純水=純物が極めて高い水”も紹介したかったのですが、

今回はボリュームの関係で割愛しました。次回ご紹介したいと思います。


ということで今回はこの辺で終わります。

次回更新をお楽しみに。



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